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ブログ 予算会計を学ぶ 第1619回 「金曜日テーマ:予算実務のポイント【予算会計物語第二編「予算会計」第3話(その1) 『次期予算作成』】」


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本日のINDEX
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1.「金曜日テーマ:予算実務のポイント」

<曜日別配信内容>

月曜日:予算会計クイズ 
火曜日:『企業予算編成マニュアル』解説
水曜日:業績予想の修正理由一覧
木曜日:予算実務知識Q&A
金曜日:予算実務のポイント


2.編集後記  


<ほっと川柳>

「 有報で
   計画比較
     開示せよ!
 」


昨日は宝印刷の方からこんなお話を聞いた。

3月決算の上場会社から「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正
に伴い、
「経営者が経営方針・経営戦略等の中長期的な目標に照らして経営成績等を
 どのように分析・評価しているか」をどのように記載したら良いか
という相談が非常に多い。



・・・編集後記・・・

――――――――――――――――――――――――――――――――――
1.「金曜日テーマ:予算実務のポイント」
――――――――――――――――――――――――――――――――――

予算実務のポイント

「予算会計物語」<2.予算会計編>
第3話(その1) 『次期予算作成』


会計人は、「制度会計」を卒業して、「管理会計」に進んで行き、
「経営者の真の右腕」になってゆくべきと考えている。

でも、経営者は会計人に対して、こう言う。

「俺にわかるように一言で説明してくれ!」

会計に精通はしていない経営者に
簡潔明瞭に説明するためには、よほど
本質を理解していなければ説明できない。

そこで、半分エンジョイしながら読める様に
会話形式の「予算会計物語」を執筆して
ゆこうと考えております。


構成は下記3つから成っています。

1.実績会計編
  第1話 借方・貸方って何?
  第2話 財務諸表って何?
  第3話 何故、財務諸表を作成するのか?

  
2.予算会計編

  第1話 『何故、予算が必要なのか?』
  第2話(その1) 『目標予算はどの様に決めるか?』
           :中期経営計画とは
第2話(その2) 『目標予算はどの様に決めるか?』
   :ROEとは

  第2話(その3) 『目標予算はどの様に決めるか?』
           :目標ROEに基づく目標利益の計算
  第2話(その4) 『目標予算はどの様に決めるか?』
           :目標ROEに基づく中期経営目標の
            目標利益の計算

  第2話(その5) 『目標予算はどの様に決めるか?』
          :目標利益から事業計画への展開(その1)

  第2話(その6) 『目標予算はどの様に決めるか?』
           :目標利益から事業計画への展開(その2)

  第2話(その7) 『目標予算はどの様に決めるか?』
           :目標利益から事業計画への展開(その3)

 第2話(その8) 『目標予算はどの様に決めるか?』
           :目標利益から事業計画への展開(その4)
 
  第3話(その1) 『次期予算作成』(その1)


3.予算改革編


本日は
「2.予算会計編」の
第3話(その1) 『次期予算作成』(その1)

(登場人物)

田辺社長(2代目)

鈴木 経理部長

高橋 経理課長

鬼塚さん(ベテラン経理)

見田さん(新人経理)

会計士 児玉


~前週からのつづき~


第3話(その1) 『次期予算作成』(その1)

「中期経営計画が作成されると、次に次期予算作成を行うのですが、
 中期経営計画を基礎として次期予算編成方針を作成します。
 これは当期の予実差異分析より、予算として改善するべき点も
 含まれます。
 
 例えば、下記の様な形で次期予算編成方針が作成され、各部門に
 示達されます。

1.次期目標のROE      :    6.0 %   ・・・(1)
2.次期目標の当期純利益    :  664百万円 ・・・(2)
3.次期目標の経常利益     : 1,186百万円 ・・・(3)
4.次期目標の本社費用    :  720百万円  ・・・(4)
5.本社部門(管理部)
   :経営戦略→残業ゼロ化・アクションプラン:業務見直し(システム化前提)
6. 次期目標の差引事業利益合計 : 1,906百万円 ・・・(5)

  [A製品事業]

7.A製品販売単価       :  500千円
8.A製品販売数量       :  2,800個
9.A製品売上高        :  1,400百万円 ・・・(8)
10.A製品変動費        : 1,344百万円
11.A製品限界利益        :  56百万円
12.A製品固定費        :  50百万円
13.A製品事業利益        :   6百万円 …(6)

14. A製品事業 
   :経営戦略:固定費の変動費化&変動費単価の引き下げ
    アクションプラン:直販体制から販売代理店政策(手数料型)へ切替
             A製品事業営業マンはB製品事業へ人事異動
            (固定費の変動費化:固定費100↓・変動費単価100↑)
             製品購入型から部品購入・組立て型への変更
            (変動費単価引き下げ:変動費単価90↓)
 [B製品事業]

15. B製品販売単価      :  3,700千円
16. B製品販売数量      :  1,500個
17. B製品売上高       :  5,550百万円・・・(9)
18. B製品変動費       :  1,200百万円
19. B製品限界利益     :  4,350百万円
20. B製品固定費       :  2,450百万円
21. B製品事業利益      :  1,900百万円・・・(7)
 22. B製品事業 
   :経営戦略:売上単価の引き上げ・変動費の固定化&変動費単価の引き下げ
    アクションプラン:販売代理店政策(仕切型)から直販体制へ切替
             A製品事業営業マンのB製品事業への人事異動の受け入れ
            (変動費の固定費化:固定費1,840↑:全国の展示場開設・
             営業人員増・営業効率化の為のシステム化) 」


田辺社長

「ちょっと細かくてわからないな~。」


児玉

「そうですね。

当期実績予想のROEは4.8%だけど、3年後の中期経営目標としてROE10%を
目指したい。

ホップの第1期目の目標ROE6.0%、ステップの第2期目の目標ROE8.0%、
ジャンプで第3期目の目標ROE10.0%を実現する。

従って、次期予算の目標はROE(1)6.0%、それを実現する為の当期純利益は
(2) 664百万円であり、目標経常利益は(3)1,186百万円になる。

目標の本社費(4)720百万円を加算した事業利益合計は(5)1,906百万円となります。

この目標事業利益をA製品事業利益(6)6百万円とB製品事業利益(7)1,900百万円に
分ける。

A製品事業利益(6)6百万円を実現する為に必要なA製品売上高(8)1,400百万円に
なる。

B製品事業利益(7)1,900百万円を実現する為に必要なA製品売上高(9)5,550百万円に
なる。

A製品部門とB製品部門の各責任者はこの目標を実現するために部門方針を設定し、
各社員と意識合わせを行って、部門別の月次予算書を作成し、期限内に提出してくれ。

こんな流れの意味になります。 」

田辺社長

「すごくイメージが沸きましたわ。」

「それは良かったです。

今日はここまでにしましょう。」


以上

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
2.「編集後記」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


<ほっと川柳>

「 有報で
   計画比較
     開示せよ!
 」


昨日は宝印刷の方からこんなお話を聞いた。

3月決算の上場会社から「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正
に伴い、
「経営者が経営方針・経営戦略等の中長期的な目標に照らして経営成績等を
 どのように分析・評価しているか」をどのように記載したら良いか
という相談が非常に多い。


○非財務情報の開示充実(「財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状
 況の分析」に係る記載の統合と対話に資する内容の充実)

「業績等の概要」及び「生産、受注及び販売の状況」を「財政状態、経営成績
及びキャッシュ・フローの状況の分析」に統合した上で、記載内容の整理を行
います。

併せて、経営成績等の状況の分析・検討の記載を充実させる観点から、以下の
2点についての記載を求めることとします。


1.事業全体及びセグメント別の経営成績等に重要な影響を与えた要因について
  経営者の視点による認識及び分析

2.経営者が経営方針・経営戦略等の中長期的な目標に照らして経営成績等を
  どのように分析・評価しているか


ここで問題になるのは「管理責任者」ではなく、「経営者の目線での分析・評価」
である点であることだ。

この説明が陳腐であれば「経営のレベルが低い会社」という風に投資家が
判断するリスクがある。

フェアディスクローズ制度が解禁となり、投資家が求める将来情報を
どれだけ踏み込んで開示できるかがポイントになるだろう。

以前のメルマガに掲載しましたが、再度記載します。

仮に、中期経営目標がROE10%であり、中期経営戦略がM&Aだとしよう。

ROEの目標はセグメント別の目標値、さらに各連結会社の部門別目標値に
展開される必要がある。

ROEは「利益÷自己資本×100%」なので、セグメント別・部門別予算BSの
作成が不可欠になる。

また、M&A戦略を展開するためにはキャッシュが必要であり、
キャッシュ・フローの目標値を明確にする必要がある。

仮に中期経営目標として営業活動によるキャッシュ・フロー50億円とする。

この目標を実現するためには、セグメント別・部門別予算CFの作成が不可欠にな
る。

<私見としての有価証券報告書の記載例>

・・・当連結グループの目標は下記の通りである。

【中期経営目標】

・ROE 10%
・営業活動によるキャッシュ・フロー50億円

【短期経営目標】

・ROE 8%
・営業活動によるキャッシュ・フロー30億円


【目標の達成状況】

・・・当連結グループの実績と目標の達成状況並びに主たる要因は
下記の通りである。

(1)ROEの実績は6%は計画8%に対して未達の状況にある。

主たる要因は下記の通りである。

売上高450億円(計画500億円、計画比90%)であり、要因は
下記の点である。
・〇〇
・〇〇

主たる改善策は下記のとおり。
・・・略・・・

以下、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
についても同様に記載する。

(2)営業活動によるキャッシュ・フローは24億円であり、
計画30億円に対して未達の状況(達成率80%)である。

・〇〇
・〇〇

主たる改善策は下記のとおり。
・・・略・・・


キャッシュ・フロー計画開示時代がいよいよやって来る。

各会社はまず単体予算での予算PL、予算BSと予算CFを
速く、正確に作成し、月次で予実管理し、着地予想管理
する仕組みの構築が待ったなしの時代に入ると考える。


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プロフィール

公認会計士・税理士 児玉厚

Author:公認会計士・税理士 児玉厚
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はじめまして、児玉厚と申します。

私は、「予算会計」という新たな学問分野があっても良いのではないかと思っています。みなさんと一緒に、良い意味での「キャッチボール」をしながら、「予算会計」という分野を創っていければと思っています。


【自己紹介】
児 玉 厚(公認会計士・税理士)

<略歴> 

商社財務部の経理マン、
    監査法人の会計監査人、
         そして企業経営者に



昭和57年埼玉大学経済学部卒業。

神鋼商事㈱財務部、東陽監査法人を経て、
ゼロから起業を決意し、現在は、(株)スリー
・シー・コンサルティング
 代表取締役。


「決算報告エクスプレス・宝決算Ⅹプレス
(開示決算自動化システム)」<特許取得>

どれかひとつの立場に偏らず、全てを歩んできたからこそ見出すことができた「本質」を、みなさんにお伝えし、共有し、新しい時代における経理部の形、会計の世界を創造したいと真剣に考えています。


<主要著書>
『会社法決算書完全作成ガイド』
『開示決算ガイドブック』
『企業予算編成マニュアル』(清文社)
『有価証券報告書完全作成ガイド』(清文社)
『予算会計』(清文社)
 NEW!『<改定増補>予算会計』(清文社)

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