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ブログ 予算会計を学ぶ 第1613回 「木曜日テーマ:予算実務Q&A:予算会計学NO.27」


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本日のINDEX
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1.「木曜日テーマ:予算実務のポイント」

<曜日別配信内容>

月曜日:予算会計クイズ 
火曜日:『企業予算編成マニュアル』解説
水曜日:業績予想の修正理由一覧
木曜日:予算実務知識Q&A:「予算会計学」
金曜日:予算実務のポイント


2.編集後記  

ほっと川柳

「 早期化や
   見通し管理
     鍵になる!
 」


決算短信の発表日が前倒しになって来ている。

IFRS適用会社が増え、M&A等により連結子会社等が
増える中での早期化は注目に値するだろう。

・・・編集後記・・・

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1.「木曜日テーマ:予算実務Q&A:予算会計学NO.27」
――――――――――――――――――――――――――――――――――

実績の記録には、「複式簿記」に基づく「簿記論(会計学)」という
世界共通の作成理論があり、正しい損益計算書と損益計算書が作成
される。標準の会計システムがその役割を担っている。

でも、予算作成については作成理論がない。
実務上はEXCELで売上高予算や費用予算を科目ごとに集計するという
単式簿記型のままになっており、予算損益計算書しか作成できない。

経営のPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)
というPDCAサイクルについては
Plan(計画)が「予算」であり、Do(実行)が「実績会計」であり、
Check(評価)が「予実比較」であり、Action(改善)が「差異原因分析
による改善」になる。

従って、予算も実績と同じ「会計の仕組み」にならなければならない
と考えている。

キャッシュ・フロー経営においては目標であるキャッシュ・フロー予算が
不可欠である。

 そのためには正確な予算BSが必要であり、そのためには予算も
複式簿記に基づく「予算会計」が必要になる。

そこで、みなさんと一緒に「予算会計」という新たな管理会計学を
一緒に考察してみたいと思う。


<予算会計学NO.27>(着地予想修正理由を元帳で管理する方法)


予算会計エクスプレスに関連して下記の3つの特許を取得している。


1.予算仕訳を自動作成し、予算元帳、予算試算表を経て「予算財務諸表」を
自動作成する機能

2.資金予算仕訳を自動作成し、資金予算元帳を経て「月次資金計画書」を
自動作成する機能

3.非会計数値KPI(受注高・人員数・ユーザー数・在庫数など)も自動仕訳し、
予算元帳を経て「非会計数値の増減データ」を自動作成する機能


実はこの他に特許申請中のものがある。

それは予算元帳を使って「1年間の予実差異原因」を表現する方法、
すなわち「予実差異原因勘定」である。

この応用系として「着地予想修正理由勘定」がある。

ちょっと、例を見て見よう。

例えば、3月決算で4月の売上高が予算:100百万円に対し、実績が90百万円
だったとしよう。5月から翌3月の月次売上予算100百万円を見込値95百万円
に修正し、通期着地予想の損益計算書は下記の通りになる。

月次予実差異損益計算書は下記の様になる。

         着地予想損益計算書
4月末時点
                単位:百万円
予算科目 経過月 未経過月
4月  5月  6月 ~ 翌3月  通期累計
     実績  見込値 見込値 ~ 見込値 着地見込
売上高  
当初予算 100 100 100 ~  100 1,200
↓   ↓ ↓   ↓     ↓ ↓
4月着地見込90   95   95 ~ 95   1,135
      実績 見込 見込 ~ 見込  着地見込
着地予想差異
     △10 △5 △5 ~  △5 △ 65

4月の予実差異原因

理由(1)4月:予算設定時の単価に比して実勢価格5%下落した為

理由(2)4月:大口先甲社の納品物のクレームにより、売上値引5百万円が
  発生した為

5月以降の未経過月の月次予算を見込値に修正した理由

理由(3)5月以降も予算設定時の単価に比して実勢価格5%下落すると判断した為

・・・改善策:略・・・


手順1 着地予想修正勘定(売上高)[借方]と着地予想修正理由勘定(売上高)
    [貸方]を科目設定する。

手順2 下記の予算仕訳を計上する。

予算仕訳(振替仕訳)NO.1

4.1 着地予想勘定(売上高) 1,200百万円
      /着地予想修正理由勘定(売上高) 1,200百万円
〈摘要〉
当初予算 通期売上高 1,200百万円


予算仕訳(振替仕訳)NO.2

4.30 着地勘定(売上高) △65百万円
      /着地予想修正理由勘定(売上高) △65百万円
〈摘要〉
4月 売上高の着地予想差異 当初予算1,200百万円 
4月末現在の通期着地予想   1,135百万円 
着地予想差異             △65百万円

予算仕訳(振替仕訳)NO.3

4.30 着地予想修正理由勘定(売上高) △5百万円
      /着地予想修正理由勘定(売上高) △5百万円
〈摘要〉

(修正理由)
理由(1)4月:予算設定時の単価に比して実勢価格5%下落した為

予算仕訳(振替仕訳)NO.4

4.30 着地予想修正理由勘定(売上高) △5百万円
      /着地予想修正理由勘定(売上高) △5百万円
〈摘要〉

理由(2)4月:大口先甲社の納品物のクレームにより、売上値引5百万円が
  発生した為

予算仕訳(振替仕訳)NO.5

4.30 着地予想修正理由勘定(売上高) △5百万円
      /着地予想修正理由勘定(売上高) △5百万円

〈摘要〉

理由(3)5月以降も予算設定時の単価に比して実勢価格5%下落すると
判断した為


予算元帳
区分:非会計数値
科目:着地予想修正理由勘定(売上高)
貸借:貸方科目
数量表示:名

日付 借 方 貸 方 残 高  摘  要
   百万円 百万円 百万円

4.1   1,200 1,200 当初予算:通期予算
予算1,200百万円

4.30    △65  1,135 (当月着地予想差異)
               当初予算 1,200百万円
               着地見込 1,135百万円
               差 異  △65百万円
(改善策)略

4.30  △5  △5  1,135 (着地予想修正理由)
理由(1)4月:予算設定時の
               単価に比して実勢価格5%下落
               した為

4.30  △5  △5  1,135 (着地予想修正理由)
              理由(2)4月:大口先甲社の納品物
              のクレームにより、売上値引5百万円が
              発生した為

4.30 △55  △55  1,135 (着地予想修正理由)
              理由(3)5月以降も予算設定時の単価に
              比して実勢価格5%下落すると判断した
              為


5月~翌3月までも同様


着地予想修正理由勘定(売上高)の元帳形式で1年間の修正理由が
閲覧できることになる

これは受注高や販売数量等のKPIも同じである。

上場会社の場合は業績予想の精度向上に繋がると考える。

また、決算予想の精度向上にもなる。


         ~つづく~


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
2.「編集後記」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


ほっと川柳

「 早期化や
   見通し管理
     鍵になる! 



決算短信の発表日が前倒しになって来ている。

IFRS適用会社が増え、M&A等により連結子会社等が
増える中での早期化は注目に値するだろう。

日経新聞より
決算発表日が早くなった主な企業
企業名  2017年  2018年  前倒し
日立    5.12 4.27 15日
第一三共  5.11 4.27 14日
TDK   5.10 4.27 13日
特殊陶業  5. 9 4.27 12日
日通    5. 9 4.27 12日
スカパーJ 5.19 5. 9 10日
オリックス 5.15 5. 9 6日
大京    5.15 5.9 6日
大東建   4.28 4.23 5日
ローム   5. 1 4.26 5日
京セラ   5.1 4.26 5日


開示を早期化するポイントは2点ある。

ポイント1.開示作業の事前化

ポイント2.監査対応の効率化


実は決算開示の早期化は予算管理体制と密接に
関連する。


例えば、見積もりの監査は非常に厳しくなっている。

「のれん等を減損すべきか否か」が決算中に議論されて
監査法人と協議して結論が出る場合と決算前に
監査法人と協議し、結論が出ている場合では
決算業務負担に大きな差異が生じる。

もし、決算前に、実績見通しに基づいて
仮の会社法開示書類や決算短信や有価証券報告書の原稿を
監査法人に提出し、事前に論点を整理できれば
決算で数値が動くリスクはほとんどなくなるはずだ。

毎週水曜日に業績予想の修正理由を分析しており、
延べ2,700社超にのぼっている。

その中で感じるのは、中堅以下の上場会社の3分の2は
売上高10%以上、利益の30%以上の業績予想修正を
決算中(第2四半期決算中)に行っている点である。

明らかに適時開示が出来ていない企業であり、
決算見通しも把握出来ていないことも意味しており
開示業務の事前化が出来ず、決算開示の早期化が実現出来ない
企業になる。

また、監査法人からは前期比較差異理由や予算差異の理由も
多く聞かれる。

月次予算管理の体制が確立されているかも重要となる。

決算開示の早期化は当たり前の時代になっている。

予実管理や決算見通しの合理性を高め、監査法人と
事前協議できる体制をつくることが鍵になると考える。



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NO.7実績予想:担当者別相手先別売上代金回収計画表(田辺雄一・W社)
NO.8実績予想:担当者別相手先別売上代金回収計画表(鈴木一也・Z社)
NO.9実績予想:全社売上代金回収計画書
NO.10実績予想:消費税等計画書
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プロフィール

公認会計士・税理士 児玉厚

Author:公認会計士・税理士 児玉厚
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はじめまして、児玉厚と申します。

私は、「予算会計」という新たな学問分野があっても良いのではないかと思っています。みなさんと一緒に、良い意味での「キャッチボール」をしながら、「予算会計」という分野を創っていければと思っています。


【自己紹介】
児 玉 厚(公認会計士・税理士)

<略歴> 

商社財務部の経理マン、
    監査法人の会計監査人、
         そして企業経営者に



昭和57年埼玉大学経済学部卒業。

神鋼商事㈱財務部、東陽監査法人を経て、
ゼロから起業を決意し、現在は、(株)スリー
・シー・コンサルティング
 代表取締役。


「決算報告エクスプレス・宝決算Ⅹプレス
(開示決算自動化システム)」<特許取得>

どれかひとつの立場に偏らず、全てを歩んできたからこそ見出すことができた「本質」を、みなさんにお伝えし、共有し、新しい時代における経理部の形、会計の世界を創造したいと真剣に考えています。


<主要著書>
『会社法決算書完全作成ガイド』
『開示決算ガイドブック』
『企業予算編成マニュアル』(清文社)
『有価証券報告書完全作成ガイド』(清文社)
『予算会計』(清文社)
 NEW!『<改定増補>予算会計』(清文社)

お知らせ
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第2回 キャッシュ・フロー予算の理解
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