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ブログ 予算会計を学ぶ 第1609回 「金曜日テーマ:予算実務のポイント【予算会計物語第二編「予算会計」第2話(その7) 『目標予算はどの様に決めるか?』】」


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本日のINDEX
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1.「金曜日テーマ:予算実務のポイント」

<曜日別配信内容>

月曜日:予算会計クイズ 
火曜日:『企業予算編成マニュアル』解説
水曜日:業績予想の修正理由一覧
木曜日:予算実務知識Q&A
金曜日:予算実務のポイント


2.編集後記  


ほっと川柳

「 1兆円
    営業利益
      シナリオか?
 」


今日の日経の記事の一節にこんな記載がある。
(ITコンツェルンの時代[中山淳史]より)

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が好んでする話に
「1兆円の営業利益を達成するのに何年かかったか」がある。
昨年6月の株主総会がそうだった。

1兆円に乗せた企業は日本に3社ある。
・・・編集後記・・・

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1.「金曜日テーマ:予算実務のポイント」
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予算実務のポイント

「予算会計物語」<2.予算会計編>
第2話(その7) 『目標予算はどの様に決めるか?』


会計人は、「制度会計」を卒業して、「管理会計」に進んで行き、
「経営者の真の右腕」になってゆくべきと考えている。

でも、経営者は会計人に対して、こう言う。

「俺にわかるように一言で説明してくれ!」

会計に精通はしていない経営者に
簡潔明瞭に説明するためには、よほど
本質を理解していなければ説明できない。

そこで、半分エンジョイしながら読める様に
会話形式の「予算会計物語」を執筆して
ゆこうと考えております。


構成は下記3つから成っています。

1.実績会計編
  第1話 借方・貸方って何?
  第2話 財務諸表って何?
  第3話 何故、財務諸表を作成するのか?

  
2.予算会計編

  第1話 『何故、予算が必要なのか?』
  第2話(その1) 『目標予算はどの様に決めるか?』
           :中期経営計画とは
第2話(その2) 『目標予算はどの様に決めるか?』
   :ROEとは

  第2話(その3) 『目標予算はどの様に決めるか?』
           :目標ROEに基づく目標利益の計算
  第2話(その4) 『目標予算はどの様に決めるか?』
           :目標ROEに基づく中期経営目標の
            目標利益の計算

  第2話(その5) 『目標予算はどの様に決めるか?』
          :目標利益から事業計画への展開(その1)

  第2話(その6) 『目標予算はどの様に決めるか?』
          :目標利益から事業計画への展開(その2)

 第2話(その7) 『目標予算はどの様に決めるか?』
          :目標利益から事業計画への展開(その3)


3.予算改革編


本日は
「2.予算会計編」の
第2話(その7) 『目標予算はどの様に決めるか?』
        :目標利益から事業計画への展開(その3)


(登場人物)

田辺社長(2代目)

鈴木 経理部長

高橋 経理課長

鬼塚さん(ベテラン経理)

見田さん(新人経理)

会計士 児玉


~前週からのつづき~


「2.予算会計編」の
第2話(その7) 『目標予算はどの様に決めるか?』
        :目標利益から事業計画への展開(その3)


会計士 児玉

「前回は、2.予算会計編第3話『目標予算はどの様に決めるか?』
(その5・その6)で、中期経営目標ROE8%に基づく目標経常利益から、
A製品事業(競争が激しい分野)とB製品事業(成長性の高い分野)の中期経営計画
について見てきました。

今日はA製品事業のケースについて図表で考察して見ましょう。


A製品の損益図表は下記の通りです。


予算会計メルマガ読者はダウンロードできます。

ケース1 A製品((競争が激しい分野))
読取用pdfファイル


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執筆者:代表取締役 (公認会計士) 児玉 厚
(主な書籍)・改訂増補「予算会計」・
「企業予算編成マニュアル」(清文社・共著)

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横軸が販売数量、縦軸が売上高・費用になっています。

赤線は売上高線になります。

傾きが販売単価であり、「販売単価×販売数量=売上高」が売上線の高さを
表しています。

現状のまま推移すると、現状の平均販売単価700千円から下がり、
3年後の予想販売単価は(1) 500 千円になると予測しているので
売上高線の傾きが(1) 500 千円となります。
この場合の販売数量は(2) 2,420個になり、
(1)@500千円×(2) 2,420個=(3) 1,210百万円が売上高線の高さになります。

一方、緑の費用線の傾きは変動費単価を表しており、現状のまま推移すると
3年後の変動費単価は(4) 450千円と予測しております。
また固定費は売上高がゼロの場合の費用線の高さを表しています。
3年後の固定費は(5) 650百万円と予測しています。

販売数量が(2) 2,420個の場合の費用は

(4) 450千円×(2) 2,420個+(5) 650百万円=1,739百万円

となり、現状のまま推移した場合の3年後のA製品の事業利益は

販売数量が(2) 2,420個の場合の売上高線と費用線の高さの差は

(3) 1,210百万円-1,739百万円=△529百万円

となります。

この場合のA製品の事業利益がゼロとなる採算ラインの損益分岐点は
売上高線と費用線が交わる高さになります。

その場合の販売数量を(×個)とすると

売上高=(1) 500 千円× (×個)
費 用=(4) 450千円×(×個)+(5) 650,000千円

両者が一致するので

500千円×(×固)=450×(×個)+650,000千円

50千円×(×個)=650,000千円

(×個)=650,000千円÷50千円=13,000個

損益分岐点売上高
=(1) 500 千円×13,000個
=(7)6,500百万円

となります。


一方、3年後のA製品事業のあるべき姿は黒字化なので

「直販体制をやめて、販売手数料形式の販売代理店政策に
切り替える」中期経営戦略を取るので

変動費単価は上がりますが、変動費単価のコスト削減を同時に実施し、
現状の(4)450千円から(9)460千円へ上昇幅を抑えます。

A製品事業の営業マンの人件費がなくなるので
固定費は(5) 650百万円から(10)50百万円になります。


従って、費用線の傾きは少し上がりますが、下方に大きくシフト
することになります。

販売代理店の営業力により、販売数量が2,420個から
(8) 3,200個へ伸びるとすると

売上高は
(1)@500千円×(8) 3,200個=(9) 1,600百万円が売上高線の高さになります。


この場合の費用は


(9) 460千円×(8) 3,200個+(10) 50百万円=1,522百万円


となり、A製品の事業利益は

(9) 1,600百万円-1,522百万円=(11) 78百万円

となります。


この場合のA製品の事業利益がゼロとなる採算ラインの損益分岐点は
売上高線と費用線が交わる高さになります。

その場合の販売数量を(Y個)とすると

売上高=(1) 500 千円×(Y個)
費 用=(9) 460千円×(Y個)+(10) 50,000千円

両者が一致するので

500千円×(Y個)=460千円×(Y個)+50,000千円

40千円×(Y個)=50,000千円
(Y個)=50,000千円÷40千円=1,250個

損益分岐点売上高
=(1) 500 千円×1,250個
=(12)625百万円

となります。


従って、競争が厳しいA製品事業の場合、

『固定費を変動費化する』ことによって
損益分岐点が下がり、現状のまま推移すると赤字に
になりますが、黒字へ転換することができるのです。

田辺社長いかがですか? 」


田辺社長

「 図で説明されると、非常によくわかる。

 固定費の削減は考えるが、

 『固定費を変動費化する』という発想は
 まったくなかったですよ。

 勉強になりました。」


会計士 児玉

「それは良かったです。

今日はここまでにしましょう。

次回はB製品事業について見てゆきましょう。 」

以上


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
2.「編集後記」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――



ほっと川柳

「 1兆円
    営業利益
      シナリオか?
 」


今日の日経の記事の一節にこんな記載がある。
(ITコンツェルンの時代[中山淳史]より)

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が好んでする話に
「1兆円の営業利益を達成するのに何年かかったか」がある。
昨年6月の株主総会がそうだった。

1兆円に乗せた企業は日本に3社ある。

1つはNTTで、創業からかかった年数は118年。2つ目はトヨタ自動車で65年、
そして3つ目がソフトバンクグループで36年だ。

・・・略・・・ (以上)


NTTやトヨタ自動車とソフトバンクグループの間には大きな違いがあると思う。

NTTやトヨタ自動車は創業時に将来1兆円の営業利益になるという予想すらしなかっただろう。

ソフトバンクグループの孫社長は創業時から1兆円の営業利益を目標としていたという。

当時の社員は「何馬鹿なこと言ってるの?」と思ったと思うけど。

孫社長の頭の中には1兆円の営業利益達成の為の「超長期経営計画」があったのだろう。

将棋の世界に例えると
将棋を指す前に、勝つための手をすべて読んでいたことになる。

コンピュータやインターネットの時代の先を読んでいたからこそ
常識的な目線で言えば無謀なM&Aやベンチャー企業へ新規投資出来たのだろう。

2016年の定時株主総会で社長続投の孫社長は目標は「30年以内に時価総額200兆円を超える」と
言っていたので、さらなる成長の「超長期経営計画」があるのだろう。


ただ不安な点がある。

「天才である孫社長の後を継いでゆく経営承継が本当に実現するのだろうか?」
という点である。

ソフトバンクグループの
「予算制度はどうなているのか?」
「取締役会でどのような議論がなされているかのか?」
「後継者育成をどのように行っているのか?」
についてはとても関心がある。
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プロフィール

公認会計士・税理士 児玉厚

Author:公認会計士・税理士 児玉厚
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はじめまして、児玉厚と申します。

私は、「予算会計」という新たな学問分野があっても良いのではないかと思っています。みなさんと一緒に、良い意味での「キャッチボール」をしながら、「予算会計」という分野を創っていければと思っています。


【自己紹介】
児 玉 厚(公認会計士・税理士)

<略歴> 

商社財務部の経理マン、
    監査法人の会計監査人、
         そして企業経営者に



昭和57年埼玉大学経済学部卒業。

神鋼商事㈱財務部、東陽監査法人を経て、
ゼロから起業を決意し、現在は、(株)スリー
・シー・コンサルティング
 代表取締役。


「決算報告エクスプレス・宝決算Ⅹプレス
(開示決算自動化システム)」<特許取得>

どれかひとつの立場に偏らず、全てを歩んできたからこそ見出すことができた「本質」を、みなさんにお伝えし、共有し、新しい時代における経理部の形、会計の世界を創造したいと真剣に考えています。


<主要著書>
『会社法決算書完全作成ガイド』
『開示決算ガイドブック』
『企業予算編成マニュアル』(清文社)
『有価証券報告書完全作成ガイド』(清文社)
『予算会計』(清文社)
 NEW!『<改定増補>予算会計』(清文社)

お知らせ
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税務研究会の「経営財務」にて3週連載します
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